2012/04/30

Pediatric Cardiovascular Disease


”We keep you busy during this rotation” course director。実習初日の宣告通り、ボストン小児病院循環器内科では、病棟業務→コンサルテーション→外来実習→手術見学と、循環器関連のserviceを一通り体験し、密度の濃い経験を積む事が出来ました。

今回は具体的な実習スケジュールを交えて、一か月間私がどのような生活を送っていたのか紹介したいと思います。一緒にローテートしていたハーバード医学部3年生を真似して実習していたので、ハーバード医学生の標準的な臨床実習スタイルは、私のものに近いはずです。それでは↓↓

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【スケジュール概略]
第一週、第二週:病棟
第三週:コンサルテーション
第四週:外来実習、手術見学、心カテ見学

【典型的な1 日のスケジュール、実習内容】
第一週 (team1)・第二週 (team2):病棟
6:15~7:15     予備診察、カルテチェック、プレゼン準備
7:15~8:00     循環器内科レクチャー
8:00~11:30    総回診Visit rounds。受け持ち患者のプレゼンテーションを行う
12:00~13:00  学生・レジデント向けの一般レクチャー
13:30~17:00  患者の診察、カルテ・入院サマリーの作成、心カテ・手術見学
(17:00)~         翌朝のプレゼン準備

Team1, Team2とは
小児循環器内科病棟には診療チームが2つ存在し、それぞれTeam1,Team2と名前がついています。Team1は心臓移植チームで、心臓移植候補患者+先天性心疾患患者の診療を行います。Team2は先天性心疾患を抱えた患者を専門とするチームです。各Teamはアテンディング1 人、フェロー1 人、レジデント and/or NP (nurse practioner、上級看護師)2人、学生1-2人で構成されています。

Teamが一同に会するのは、毎日8時から始まるVisit roundsです。Visit roundsはいわゆる総回診です。各患者の状態をレジデント・学生がプレゼンし、患者の家族を含めたチーム全体で議論を行った後、その日の治療方針が決まります。日本の教授回診やチーム回診と比べると、一人の患者にかける時間が長く、アセスメントが複雑なケースでは一人の患者の回診に30分かけることも稀ではありません。

※学生の仕事
学生の主な仕事は患者の診察、入院サマリー・カルテ作成、プレゼンです。学生は常時1−2 人の患者を受け持ちます。朝6時過ぎに病院に到着→夜勤の医師による申し送り(6:30) を聞く→受け持ち患者の予備診察→総回診で、患者のプレゼン、治療方針の提示を行います。夜中から朝にかけてのバイタルの細かい変化や、患者の朝の様子をプレゼンする事が求められます。





第三週:コンサルテーション
7:15~8:00       循環器内科レクチャー
8:00~12:00       フェローに患者を紹介される(1人目)。診察・カルテ作成
12:00~13:00      学生・レジデント向けの一般レクチャー
13:00~18:00      フェローに患者を紹介される(2人目)。診察・カルテ作成。
18:00~(20:00)    回診 attending round。フェローとアテンディングにプレゼン

※コンサルテーションチームとは
循環器内科コンサルチームはアテンディング1 人、フェロー1 人、学生1人で構成されており、病院中から来る心臓のアセスメント依頼を一手に引き受けています。1 日平均7−8 件の新規コンサルがあり、フェローが5~6人、学生が1~2人受け持ちます。

※学生の仕事
学生の主な仕事は診察・コンサルテーションノート作成です。電子カルテで基本的な情報を把握→問診、身体診察→Assessment & Plan をたてる→コンサルテーションノートを書く→ attending round(18:00) にて患者のプレゼン→チームで議論を重ね、コンサルチームとしての治療方針が最終決定されます。
8例もの症例をわずか1週間で経験出来ました。内科の醍醐味を凝縮させたような1週間で、一ヶ月で最も楽しかったです。

第四週:外来見学、手術見学など
 長くなってきたので割愛。オペを見たり、外来を1人で担当させてもらったりしました。

※オペ見学後、ひょんな事からボストン小児病院麻酔科attendingの結城先生にお会いしました。海外でばりばり活躍されている日本人の先生とお会いする機会がある事も、留学の醍醐味の一つですね!

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 とりとめもなくスケジュールを書いてきましたが、本ローテーションは兎に角アメリカの病院で色んな体験がしたい!という後輩にお勧めです。病棟もコンサルも外来も体験させてもらえます。


 明日よりMassachusetts General Hospital (MGH) の腎臓内科で実習をする事になりました。気を引き締めつつ。

白石

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