みなさまお久しぶりです、高橋です。今月はBrigham and Women’s Hospital (BWH)においてNephrologyの実習を行っておりました。ローテーションが終わった今、BWH Nephrologyにおける実習を振り返ってみたいと思います。
実習内容
基本的にコンサルテーション実習となります。Attending doctor 1名、Fellow doctor 1名からなるチームに学生が2人配属されます。チームに入ったコンサルテーションのうち、Fellow が教育的と判断した症例を2人の学生に順番に割り振ります。担当となった学生は患者の診察をし、鑑別診断を考え、Attending
Round でプレゼンテーションをします。並行してカルテの作成を行い、Fellowの添削を受けます。出来が良いとそのまま公式記録として採用されることもあります。
受け持ち患者に対してはその後も診察、Progress noteの記載を行い、Sign out (ここでは、Nephrologyに関する問題が解決されたと判断したのちに担当から外すこと)されるまで経過を追います。
ある一日のスケジュール
日によって多少異なりますが、私がBWHで過ごした、とある一日のスケジュールを紹介いたします。
07:00 病棟到着、受け持ち患者の状態把握及びPre-round
07:30-08:30 Morning Conference(朝食つき!!)
08:30-09:30 Renal conference
10:00-12:00 新規担当患者の把握、診察
12:00-13:00 Noon Conference (昼食付き!!)
13:00-15:00 Attending Round
15:00-17:00 新規担当患者の尿検査、及びカルテ作成
18:00-21:00 腹膜透析特別講義(週一回)
基本的には朝7時から夕方5~6時まででしたが、特別講義に参加した日は夜9時を回ることもありました。
実習を振り返って
BWH Nephrologyは、腎臓に限らず内科を志望する全て学生にとって最高の学習環境であると断言できます。腎臓内科のバイブルともいえる「Brenner and Rector’s The Kidney」の著者Dr Barry Brenner が率いるBWH Nephrologyは世界的にみてもトップクラスであり、その中で世界一流の専門家から的確な助言を貰いながら実習が出来ることはなんと贅沢な環境であろうか、と何度感じたかわかりません。私がお世話になったAttending doctorの中にはUPTODATEのDeputy author の方もおり、Attending roundにおけるディスカッションを通じて切れ味の鋭い臨床的思考力に幾度も触れることが出来ました。
学生実習にも非常に理解があり、多くの症例を直接担当させて頂くことが出来たため、一か月という限られた時間でありながらも腎臓疾患や電解質異常に対する知識やアプローチ方法に対する理解を深めることが出来ました。高齢化が進み高血圧や糖尿病が今後も増加していくと予想される時代に医師として働く中で、どの科に進んでも腎臓病を抱えた患者さんを担当することはあると予想できます。BWHにおいて非常に質の高いNephrologyの実習を経験出来たことは、自分にとって大きな収穫であったと感じております。