2012/05/08

Leukemia/Transplantation Unit


こんにちは、野口です。

5月に入り新しいローテーションが始まり、一週間が経ちました。
白石くんと僕はMGHの腎臓内科チームに配属され、実習にとりくんでいます。
この科はコンサルテーションが主な業務となっています。患者さんに血液の電解質や腎臓関連で何か問題があると担当医から連絡が入るので、そこで患者さんのところに行ってところに行って検査をし、主治医に専門医としての意見を伝える、というものです。

…こちらのお話はまた今度。今回は先月の血液内科(Leukemia/Transplantation Unit)のことについて書きます。こちらは対照的に、入院患者さんを長期にわたってケアしていく科でした。血液内科の中でも腫瘍を専門に扱っている内科です。対象疾患は白血病・リンパ腫になります。白血病を例に取ると、新しく運ばれてきた患者さんは「導入化学療法」を行います。ここでは、まず血液中の腫瘍細胞を減らし血液学的に安定した「寛解状態」に持っていくことが第一目標になります。その後は化学療法でコントロールしていく場合もあれば、骨髄移植を行う場合もあります。

 科自体もこの流れに沿う形で2つのチームに分かれており、Leukemia(白血病)チームは「導入化学療法」を、Transplant(骨髄移植)チームは移植を専門に行います。その他腫瘍関連でなくても、血液内科の病棟が満床になった場合にフォローしてく場合もあります。私はTransplantLeukemiaの順で2週間ずつそれぞれのグループをローテさせてもらいました。

典型的な一日のスケジュール
6:55~7:30 受け持ち患者のチェック(バイタル、ラボデータ)、プレラウンド
 34人の患者さんを持たせてもらって、1日の間にあった出来事やバイタル、検査の結果をチェックします。その日の採決の結果は早朝に電子カルテに入ってくるので、回診に備えてデータを控えておくのが目的です。薬の副作用、感染、他家造血幹細胞移植後のGVHDなどが主なチェック項目になります。続いて自分で受け持ち患者さんのところにいって話を聞き、身体診察をするプレラウンドを行います。
7:30~8:45 回診(1)
 Attendingが合流し、Nurse Practitioner(以下NP)、学生の3人のチームで回診を行います。患者さんの状態を確認してから、病室で簡単な問診と身体診察をしてプランを立てていきます。ここでAttendingに受け持ち患者さんの状態を報告することが学生の仕事です。病棟は構造的に大きく2つのブロックにわかれており、ブロックごとの回診、カンファレンスのサイクルをそれぞれ行う形になります。
8:45~9:30 Conference (1)
 Attendingを中心として、ResidentNPが集まってカンファレンスを行います。ナース、栄養士や理学療法士も自分の受け持ちの番が回ってくると部屋に来てカンファレンスに参加します。Residentが受け持ちの患者さんについてプレゼンし、そのAssessment and Planに対してAttendingがコメントしていく形で議論が進んでいきます。
9:30~10:45 回診(2)
10:45~11:30 Conference (2)
 同じ流れでもう一方のブロックについても回診・カンファレンスを行います。患者さんの状態が悪くなってICU等他の病棟に運ばれ、そのフォローのために出向いていくこともあります。
11:30~12:45 受け持ち患者のProgress note作成
 受け持ち患者さんについて、回診・カンファレンスでの内容をまとめます。紙のプリントにバイタルサイン、問診内容、身体所見、Assessment and Planを書き込みます。
13:30~16:30 外来見学
 外来のクリニックで移植後や新患の診察をしていきます。10近くのブースがあり、そこで患者さんが待っていて、医者がオフィスから出向いて行くのは日本の外来とは大きな違いです。スケジュールに余裕があるときは、先に診察をする機会をもらっていました。Attendingに簡単にプレゼンしてから一緒にまた患者さんのところに話をしに行きます。
16:30~17:45 調べ物等
 スケジュールには余裕があったので、その日一日で気になったことをメモしておき、Uptodate等で疑問を解消する時間に当てていました。

その他、カンファレンスなどが日によって入ります。Leukemia/Transplant Unit Grand Roundという入院患者・新患のプレゼン報告が毎週火曜日、昼に一時間程度開かれます。不定期に開かれる研究者のプレゼンや、他の腫瘍内科のカンファレンスに参加することもできました。
びっくりするのは、どの先生も知識が豊富なこと!どんな話題に関しても、「○○年に行われた二重盲検のランダム化比較試験のデータがあって何%の患者が治療に反応して…」という話をレジュメもなしにぺらぺらと話して議論が進んでいく様には圧倒されてしまいました。


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